バリ島にあるバリヒンドゥー教寺院の中でも、パワースポットととして密かに有名な「バトゥカウ(バトゥカル)寺院」から程近い場所にある3つのお寺、健康に関するお祈りをする寺院「Pura Luhur Tamba Waras タンボワラス寺院」、人間関係に関するお祈りをする寺院「Pura Luhur Puncak Petali」、そしてビジネスに関するお祈りをする寺院「「Pura Luhur Muncaksari ムンチャックサリ寺院」を3回に亘りご紹介させて頂きました。
今回はこの3つのお寺の中心とも言える「Pura Luhur Batukau バトゥカウ(バトゥカル)寺院」をご紹介させて頂きます。
バリに残るロンタルというヤシの葉に記された古文書の記載によると、バトゥカウ寺院は11世紀には既に存在していたとのこと。他に11世紀に存在していた寺院を調べてみると、バリヒンドゥー教の総本山と言われるブサキ寺院、天空の寺院と呼ばれるランプヤン寺院、コウモリが住んでいる洞窟で有名なゴアラワ寺院、そしてバリ島の南端を守るウルワツ寺院など、日本のガイドブックでも有名なバリヒンドゥー教寺院が同時代に存在していたそうです。
バトゥカウ寺院に祀られているのは、水を適切に使って植物を育てる神として崇拝されているラトゥ・ヒャン・トゥムウという女神様です。水を使って植物を育てることから成長の神様ともいわれ、全てにおいてご利益があると信じられていますので、パワースポットになるのも当然ですね。
バトゥカウ寺院は、長い歴史を感じされる苔むした割れ門を通ります。

寺院の境内に入って一番最初に目につくのが「KE BEJI ベジへ」と書かれた看板。お祈りの前のお清めをする場所への案内です。

ベジへ向かう途中の通路は、いつ行っても静かです。この通路、滑りやすい箇所があるので注意してくださいね。

通路の突き当りは大きな池になっていて、池の上にも小さなお寺があります。

カメラのズーム機能で拡大してみたお寺はこんな感じです。

こちらがベジと呼ばれるお清めの為の聖水が湧き出ている場所で、お祈りをする人だけが入ることが許される場所です。

ここで湧き出している聖水は、お祈りの為に使われるとても貴重な聖水とのこと。

10世紀、1000年以上もの年月を経た石像は、角が全て丸みを帯びています。

こちらがベジのお寺です。ここでもお祈りを捧げている方がいらっしゃいました。

さて、こちらがバトゥカウ寺院の本堂にあたる場所の手前側、参道の左右に建造されているメルです。


こちらがバトゥカウ寺院のご本尊ともいえる一番重要なお寺です。バリヒンドゥー教徒の人々はこのお寺の前でお祈りを捧げます。


お祈りを捧げた後、寺院境内を出口に向かって歩いた時に左側にある「パドマサナ」と呼ばれるバリヒンドゥー教の概念を現した石像。

パドマサナの一番上の白い部分は最高神であるサンヒャンウィディ(Sanghyang Widi)を祀っている場所で、一番下の亀(Bedawang Nala)は地球のシンボルで、亀は龍に巻き付かれています。龍が亀に巻き付いているのは、地球が動かないように押さえている為だそうです。地球が動いてしまうと地震が起きてしまう、と信じられています。
パドマサナの後ろ部分にはガルーダの石像があり、ガルーダはウィスヌ神(Wisnu)守護神の乗り物なので、ウィスヌ神は最高神サンヒャンウィディと一緒に地球上の生物が穏やかに生きていけるように地球を守っている、と考えられています。
お寺でお祈りを捧げた後、参道を通って帰る時に右手にある大きなバレには、この時期に収穫されたお米が奉納されていました。

成長を司る女神様に奉納されたお米は、お花なども添えられてとても綺麗です。


成長を司る女神様は、人間や農作物にとってとても大切な神様です。
次回バリ島にお越しになられた際には、こちらのバトゥカウ寺院を訪れてみては如何でしょうか。
静寂のなかに漂う、優しさ溢れる力強いパワーを感じ頂けることと思います。