バリ島に住むバリ人の大好物と言えば「バビグリン(豚の丸焼き)」に代表される豚料理が有名ですが、実は魚料理が好き、という人も多いんです。
バリ島を囲んでいる海は自然の恵みが豊富で、魚貝類、エビ類、海藻などが採れますが、
海のお魚より淡水魚の方が値段が安かったりするので、淡水魚を食べる事も多いです。
淡水魚の中で人気があるのがインドネシアでは「グラメ」と呼ばれるお魚で、
名称は giant gourami ジャイアントグラミー (学名Osphronemus goramy)、南アジアに生息しているそうです。


香辛料が身にすり込まれているので、後は揚げるだけでOK。お値段も1匹40,000ルピア(日本円で約300円チョット)なら高くないので、購買意欲はあるのですが、自宅でこのサイズの魚を揚げることを考えるとやっぱり買うのをためらってしまいます。
すると、鮮魚担当の男性スタッフが「良かったらココで揚げてお持ち帰りにも出来ますよ」と言ってくれるではありませんか。
よーし、渡りに船とはこのこと。せっかくのおススメして頂いたので実際に揚げて貰う事にしました。
「ここにこの魚が揚げられるキッチンがあるんですか?」と聞くと
「ここのフードコーナーの業務用のフライヤーで揚げるんですよ」との事。


さすが業務用。これなら魚丸ごとでも問題無く揚げられそうです。
4匹並んでいた中から1匹選んで、早速その場で揚げて貰う事にしました。

フライドポテトを揚げる時みたいに金網の中に魚をいれて熱した油の中へ。ジュワーという揚げ音が周りに響きます。
待つこと約15分位で綺麗な黄金色に出来上がったグラメ。

「背びれと尻尾のところ、どうしますか?」と、聞かれたので、「え、どうしてですか?」と聞き返すと、「この部分は好き嫌いが分かれるので、好きならこのまま、要らなければ落としますよ」との事。 持ち帰ってもゴミになるだけだと思い、背びれと尻尾は切り落として貰う事にしました。

揚げあがりはまるで大きなトゲのようになった背びれや尻尾を落として貰い、仕上がった状態がこちら。スッキリとした姿になりました。

お値段は最初にスーパーのコーナーに置かれていた時の値段から変わらず、40,000ルピアでした。揚げて貰った料金も、お持ち帰り用の容器も使ったのに、追加料金はありませんでした。

受け取った時は熱々でしたが、さすがに帰宅する事には冷めてしまっていたものの、ほくほくの白身はとっても美味しかったです。インドネシア料理の香辛料の味というよりは素揚げに近いようなお味で香りや辛さがキツイということもありませんでした。
後にバリ人の友人にこの40,000ルピアのグラメをスーパーの中で揚げて貰った話をしたら、「デンパサールにもグラメの揚げたのが有名なレストランがあるのよ。背びれと尻尾はカリカリしておせんべいみたいでオイシイのに、捨てちゃったなんて勿体なかったわね」と言われてしまいました。
スーパーの中で揚げて貰うという体験は初めてでしたが、これからも親切で便利なサービスがあるスーパーに出会ったら試してみようと思っています。