皆さん、こんにちは。 バリニー王の嫁、キタです。
さて、ユネスコの世界文化遺産に登録されている、
バリ島の伝統的な水田の灌漑(かんがい)水利システム「スバック」。
世界文化遺産に登録された、タバナン県にあるジャティルウィの田園風景は、
以前にも増してバリ島旅行で必ずで見ておきたい観光スポットとして不動の人気を誇る場所です。
ウブドから程近いテガラランの田園も、勿論この「スバック」のシステムの賜物。
バリ島にある灌漑(かんがい)水利システムは、バリ島の農民の知恵から生まれました。
今から1000年以上も前に始まったこの素晴しいシステムを、
誰にでも簡単に分り易く見学出来るのが、タバナン県にある公営の「スバック博物館」です。
タバナン県の中心地から約2キロほど離れた場所にあるこの博物館。
スバック博物館の後ろには大きな池があるのですが、
実は、この池もスバックを実際に間近で見て理解する為の施設の一部になっています。
スバック博物館の敷地は緑が多く、とってものどかな雰囲気です。
博物館の立て看板もとても素朴。この看板の右手に進むと博物館への通路で、
敷地の左手に行くとバリの伝統的な農家の家があります。
まずは博物館へ向かいます。
博物館の建物へ行く手前の敷地に「川(SUNGAI0」と掛かれた看板が。
実はこれ、田んぼに水が引かれるまでの自然環境を敷地内で再現しているんです。
博物館へと向かう通路。芝生が敷き詰められた敷地はとっても広いものでした。
博物館の建物の入り口は、ナント地下。 案内してくれた職員のスリさん。
地下が入り口になっている博物館なんて、中は暗いのかしら・・・とちょっと不安になりますが、
入り口の階段の前に飾られていたこの彫刻。
農民ののどかな日常の風景にしばし癒されました。
さっそく博物館の中へ入ってみます。
まず最初に訪れた人達を出迎えてくれるのは、お米の女神様、デウィスリ。
美しい中央のデウィスリの左右には、牛飼いの子供達。
デウィスリが左手に掲げているのは、聖水を入れる為の小さな壺。
すこしだけうつむいた様なお顔は、ほんのり微笑んで穏やかで優しい表情をしています。
体格の良い牛の背中にのって、とっても元気の良さそうなやんちゃ坊主2人。
日本の昔話に出て来そうな姿ですね。
デウィスリと牛飼いの子供達を見たら、建物の中を左手に進みます。
ガラスケースに入ったスバックシステムのジオラマは、
ガラスケースに掃除の為に開けることを考えずに作られている為(完全に密封されている)、
中の掃除や手入れが出来ないので今ではあちこちくもの巣だらけ。。。
外側から中が良く見えませんでした。 とても残念。
ジオラマにはがっかりしましたが、ここはバリ島。
気を取り直して、実物の展示物を見て回ります。
これは田んぼを耕す為の道具。 前に付けられた輪は、牛の首に付ける為。
この道具は2頭の牛で引っ張って田んぼを耕します。
昔、日本でもこんな道具を使って田んぼを耕している風景がありました。
農家の人達が日常的に使っていた品々の展示品。
垂直を図る為の道具や、つるはしのような道具。
これが、スバックシステムの基本となる、ひとつの川から水を分ける道具。
本当に素朴で簡単な道具なので、1000年以上も受け継がれて来れたのでしょうね。
それを思いついた先人の知恵は本当に素晴しいと思います。
これがスバックシステムの模型。
中央にあるのは川。川が流れるところに左右に穴の開いた道具を埋め込む事で、
左右の田んぼに均一に水を分けられるように工夫されています。
これはカレンダー。昔の人はこのカレンダーを読んで、
田植えの日にちや稲刈りの日にちなど、大切な日を決めたそうです。
細かく書かれた絵柄には、それぞれ意味があるんですね。。。
この道具、日本とそっくり、と話をしたら、ナントその昔日本人が教えてくれた道具なんだとか。
バリ人が日本人に好感を抱いているのは、
遥か昔まで遡って、バリ島の人々に役立つことを教えた日本人が居たお陰でもあるんですね。
さて、この道具は一体何だと思いますか?
正解は、雨具。
左側にあるものは背中を覆う雨合羽のような役割をします。
一番手前の大きな丸いものは、頭に被って雨をしのぐ笠です。
今でも都会から離れた農村地帯では、この丸い大きな笠を雨具として日常で使っているそうです。
この辺りの時代に来ると、本当に日本の農家の姿と変わりませんね。
まだまだ沢山の展示品がありますので、それは次回のお楽しみに。
博物館に展示されている模型とほぼ同じの、敷地内にあるバリ島の農家も覗き見してきましたので、
それも次回ご紹介したいと思います。