皆さん、こんにちは。 バリニー王の嫁、キタです。
さて、バリ島と言えば『バリコーヒー』が有名。
コーヒー好きの方や、バリ通の皆さんは既にご存知だと思います。
コーヒー豆をパウダー状になるまで細かく挽いてカップの中に入れ、
お湯とかき混ぜた後、コーヒーのパウダーがカップの底に沈殿するまで待つ、という
独特なスタイルの飲み方のコーヒーです。
このバリコーヒーの中でも特に有名でバリ人に好まれているブランドが
今日ご紹介する「クプクプ・ボラ・ドゥニア」。
地球儀(インドネシア語でボラ・ドゥニア)の上に、
蝶(インドネシア語でクプクプ)のイラストが描かれているブランドです。
この「クプクプ・ボラ・ドゥニア」の工場が、空港から遠くない場所にある、と聞き、
早速出掛けて見ましたのでご紹介したいと思います。
工場の入り口は、こんな感じ。 シンプルな普通の工場。
敷地内はきちんと清掃が行き届いていました。
中国の伝説を元に作られた映画に登場する武士のような、甲冑を着た男性の像が二体。
「コーヒーと関係があるの?」と聞いてみたら、
「特に関係は無いんですが・・・。社長の趣味なんです」との事でした。
コーヒー工場の見学は、コーヒーについての説明から始まります。
敷地内を案内しながら、お客様に説明してくれる女性スタッフの話を聞きました。
「インドネシアのコーヒー豆は、"ロブスタ" と "アラビカ" の2種類しかありません。
インドネシアの島の名前の付いたコーヒー、例えば「トラジャコーヒー」と呼ばれるのは、
トラジャ島で取れたコーヒー豆を使ったコーヒーの事なんですよ。」
「ロブスタの木がこちら。アラビカに比べて葉が大きいのが特徴です。
ロブスタは、カフェインが高く3~5%位あって、苦味のあるコーヒーになります。」
「アラビカの木がこちら。 葉は小さめです。 アラビカはカフェインが0.1~1% と低く、
酸味のあるコーヒーになります。」
コーヒーの木の間に置かれた飼育小屋の中に、ルアック(ジャコウネコ)が居ました。
「有名になったルアックコーヒーは、このルアックが食べて排泄した排泄物から
コーヒー豆だけを取り出して作られます。」
(このブログをご愛読して下さっている皆様、以前このブログでタナロット寺院近くの
ルアック専門のコーヒー屋さんで飼育されていたルアック達を覚えていらっしゃいますか?
あの狸のように太ったルアックとは、顔つきが全然違うのでビックリしました。こちらが野生に近い顔なのでしょうね・・・?)
こちらがルアックコーヒーになる豆。
向って左側が加工前で、右が加工後。加工した後の豆もまだ薄皮が残った状態なので、
「排泄物と言っても、衛生的に問題はありませんので安心して下さいね」との事。
女性スタッフの後に続いて、工場の中に入ります。
コーヒー豆が入った袋が積み上げられていましたが、コーヒーの香りはしません。
コーヒー豆。 左からロブスタ、アラビカ、ピアベリー。
ピアベリーと言うのは、コーヒー豆の「雄豆」だそうです。
1本の木から、たった5%しか取れない貴重な豆なんだとか。
「コーヒーにすると、味も香りも全然違うんですよ」・・・そんなモンかなぁ、とこの時点では半信半疑。
普通の豆は、薄皮を剥がすと一粒がパカッとふたつに分かれるのに対し(ピーナッツみたいに)、
雄豆は一粒がそのまま一個の豆なのです。
コーヒー豆を置いてある場所には、昔工場で使われていたと言う道具も展示されています。
さらにコーヒー豆が積まれた倉庫の中を進んでいきます。
これはコーヒー豆を焙煎する為の機械。 ブラジルの機械だそうです。
15分間で240キログラムの豆を焙煎出来るんですって。 かなりの量ですね。
焙煎された豆は上から出て来てこの大きなバケツに落ちてきます。
「食べて見て下さい」と言って、女性スタッフが出てきたばかりのアラビカ豆を2個分けてくれました。
1個は普通の豆、1個は貴重な雄豆。。。
カリカリっと、煎りたての香ばしい豆をその場で食べてみると・・・ 味が全然違うのでビックリ。
雄豆の方が断然味が濃い! 豆の状態でこの違いには驚きました。
焙煎された豆は、この機械を通ってパウダー状になります。
パウダーが入ったところの蓋を開けると、香ばしいコーヒーの香りが辺りに広がります。
こちらは、焙煎された豆を手作業で選り分けているところです。
お母さん達が黙々と仕事をしていました。
宝石でも、コーヒー豆でも、良いモノを選り分けるのはやっぱり人の目と手、なんですね。。。
ここで選り分けられた品質の良くない豆は、一般の商店などで売られるそうですが、
品質の良いものはバリコーヒーとして市場に出回る他に、海外へも輸出されるのですって。
一番の輸出先はグアムだそうです。
こちらの部屋ではコーヒーの包装が行なわれていました。
日本のように、完全自動の包装機械か?と思っていたら、ここでは手作業でした。
包装室の見学を終えると、ギャラリーのような場所がありました。
「ここに展示されている絵は、コーヒーの粉を使って描かれているんですよ」との事。
バリコーヒーの沈殿したものを、絵の具の代わりに使っているのだそうです。
絵心のある方、バリコーヒーは飲むだけでなく、絵の画材としても利用出来ますよ~!!
ギャラリーには、コーヒーにまつわる物が置かれています。
(コーヒーと全く関係のない、オーナー自信のプライベートコレクションも置かれています)
ギャラリーを通り抜けると、こんな休憩スペースに通されました。
先程からずっと説明してくれた女性スタッフが、3種類のコーヒーを持って来てくれました。
左から、アイスコーヒーにしたバリコーヒーと、普通のバリコーヒー。
右は雄豆のコーヒー。 「どうぞ飲み比べてみて下さい」
まず、普通のコーヒーから作ったアイスコーヒーを飲んでみます。
お砂糖とミルクが入った普通のアイスコーヒーでした。
「バリコーヒーで作ったアイスコーヒーも美味しいなぁ」と感じました。
普通のコーヒーも、飲み慣れた、いつものバリコーヒーと変わりません。
がしかし、その後に飲んだ雄豆のコーヒーは、やはり普通のコーヒーに比べると別格でした。
香りも高く、普通のコーヒーに比べると味が濃い、というか、深みがある、というべきか。
「コーヒーの好きな方はこちらを選ばれます」の言葉に納得。
残念ながら試飲はさせて貰えませんでしたが、こちらが本物のルアックコーヒー。
これは100グラムの豆とキーホルダーがセットになったもの。
飼育したルアックではなく、野生のルアックから採れたコーヒー豆を使っているそうです。
「本物のルアックコーヒーという証明書もあるんですよ」と、見せてくれたのがこの証明書。
100グラムの豆から、エスプレッソマシーンで約8杯分のコーヒーになるそうです。
因みにお値段は100グラムの豆で150ドル。 高級なコーヒーですね・・・。
(料金は2016年3月時点。今後変更する場合もありますので予めご了承下さい)
さすがに試飲無しで150ドルのコーヒーには手が出ませんでしたが、
雄豆のコーヒーを購入しました。
雄豆のコーヒーは1箱230グラムのパウダー入りが5箱入って70ドルとの事。
「5箱は要らないなぁ」とお願いしたら、「雄豆は1箱でも良いですよ」と1箱14ドルで購入出来ました。
因みに、普通の豆は1袋200グラムのパウダー入りが6箱入って60ドルで販売されています。
普通の豆は5箱セット販売なので、バラ売りはしないそうです。
自宅に帰って、早速雄豆のコーヒーを楽しみました。
漆黒の液体は、香りが高く、しっかりとした味わい。
暑くてぐったりしていた気持ちが、このコーヒーのお陰で少し和らぐような気になるから不思議です。
コーヒー好きの皆さんも、コーヒーが好きな方へのお土産にも、
ありきたりにスーパーの棚から選んで買うバリコーヒーではなく、
工場見学をした思い出も一緒にお土産話に出来る、
クプクプ・ボラ・ドゥニアのバリコーヒーをお土産にしてみては如何でしょうか。
今日ご紹介したコーヒー工場の見学には、
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