バリ島にはバリ島ならではの美味しいご飯、「バリご飯」と呼べるものが存在します。
私の勝手な個人的見解での「バリご飯」の定義は3つ。
1.年齢を問わず、ローカルの人が大好きなバリのご飯である
2.長い期間に亘って人気がある(その時々の流行りやインテリアで流行っている訳ではない味)
3.その地元のバリ人が営んでいる
この3つを兼ね備えた「バリご飯」の代表は「イブオカのバビグリン」。ご存じの通り、バリ島の代表料理「バビグリン」を出すワルン・イブオカは、日本語のバリ島ガイドブックに何度も掲載されている、ウブドの有名店ですね。
そして、今回ご紹介するのは鶏肉がメインの「ナシアヤム クデワタン・イブ マンク」です。
「ナシアヤム クデワタン・イブ マンク」は、ウブド地区の中にあるクデワタンという地区のメイン通りに面したワルン(食堂)です。
今は立派な食堂を構えていますが、食堂をオープンさせる前の1964年頃は、あちらこちらへ移動をして売っていた行商的な方法だったそうです。行商で売り上げを伸ばした後、自分のお店をオープンさせたという事です。
このワルンはウブドのクデワタン地区に住む、一人のお母さんのサクセスストーリーなわけですね。
ワルンの前に空いているスペースにはいつもオートバイが駐車しています。車の駐車スペースは無いので、通りの向かい側に路上駐車をするしかないのですが、路上駐車専用のおじさんがいるので安心して停めていられます。1回の乗用車の路駐の料金は2,000ルピアです。(2020年11月26日時点)
ワルンに入るとテーブル席が並んでいます。いつもなら、ビールを飲みながら食事を楽しんでいる外国人旅行客の姿が見られるのですが、今はローカルのお客さんで混んでいます。
ローカルのお客さん達もスタッフさんも、ニューノーマルのマスク着用が徹底していました。
ご飯が運ばれてくるまでにつまんだり、家族へのお土産にしたり等、ご飯以外にピーナツやクルプッのような揚げ物で日持ちするスナック類も多種類売られていました。
1964年から現在まで、ワルンで出しているメニューは「ナシアヤム」の1種類だけ。このワルンで「メニューが多くて迷っちゃう~」という事はありません。ナシアヤムに入っている具はこのケースに並べられている5種類だけというシンプルさです。
「辛いのは大丈夫?」と聞かれるだけ。大丈夫な人には特製のサンバルが付いてきます。辛いのが苦手な人はサンバルは付いて来ませんが、そもそもお料理の味付け自体が辛いので、辛いのがダメ、と言う方にはお勧め出来ないワルンでもあるんですよね。。。
お料理は確かにほぼ全てが辛い味付けなのですが、バリ料理ならではのさっぱりとした辛さなので、ビールが好きな人(ジュースでも)は飲みモノがどんどん進んでしまいますのでご注意を。。。
テーブル席の他に、ワルンの奥にはレセハンと呼ばれる屋外のバレのようなスペースでお食事をとる事も出来ます。このレセハン、自然の良い風が吹くのでとっても気持ちのいい場所なんですよ。(逆に風の無い日は暑さと辛さで汗だくになるのが難点です)
はい、こちらがナシアヤム クデワタン・イブマンクの創業以来56年続いているバリご飯です。
先程のケースに並べられてあった5種類のおかずとご飯のセットです。ご飯の左後ろ、時計で11時の方向に緑の野菜(インゲンによく似た野菜)が唯一茶色ではないおかずでした。
ワルンの特製サンバルは時計の方向で2時にある赤いもの。唐辛子を刻んで油で揚げてから塩をまぶしています。塩と唐辛子のしょっぱさと辛さの絶妙なハーモニーが辛い物好きにはたまりません。このサンバルだけでご飯が沢山食べられます。
地元の人達に愛されて繁盛してから現在まで、56年続いているこの「ナシアヤム クデワタン・イブマンク」は、この先どんなに時代が変わっても、孫子の代、ひ孫の代になっても、今と同じナシアヤム1品にこだわったワルンを続けて行くことでしょう。
辛い物が大好きな皆さん、ウブドに行かれた際には、是非お立ち寄りになられてみては如何でしょうか。