皆さん、こんにちは。 バリニー王の嫁、キタです。
バリ島では、日常的に色々なイベントが行なわれていて、
大概は人が沢山集まるショッピングモールが会場に使われます。
航空会社主催のトラベルフェアー、自動車やオートバイの展示会、
ベッド会社のベッドの展示会もあれば、
子供のファッションショーや子供ののど自慢(カラオケコンテスト)。。。
今回は、バリの中でも比較的新しい、
カルティカプラザ通りのリッポーショッピングモールで見掛けたイベントをご紹介します。
ローカルの来場者に引っ張りだこだった、3人の美女達。
赤、青、黒の3色の煌びやかなコスチュームが会場でとても目立っていました。
それぞれのコスチュームが意味するものは不明ですが、
重そうな衣装にもめげず、笑顔を絶やさずにポーズをとっている彼女達。
バリのモデルクラブに所属するモデルさんなのですって。
赤の衣装には大きな羽が背中についています。
頭の飾りは、どことなくバリ舞踊のラーマヤナのシンタを思わせるような、
バリの装飾とジョグジャの装飾の中間みたいな飾りです・・・。
青の衣装にも、背中にはまぁるい大きな羽が付いています。
前がミニスカートになっている衣装に合わせて、モデルさんも若々しいイメージ。
歩き難そうだった厚底のヒールは15センチくらいありそうです。。。
黒の衣装は、ちょっと大人っぽい、高貴な雰囲気。
モデルの女性もしとやかな雰囲気のある女性でした。
しっとりとした微笑を浮かべて、次から次に頼まれる来場者との記念撮影に応じていました。
私的にはイベント会場の中で一番注目を引いたのがコレ。
でも、ココは全然人気が無く、誰も写真を撮っていませんでした。。。
金色の飾りだってとってもバリらしくて素敵なのに、
このイベント会場に置かれている事自体に違和感のようなものを感じたのですが、
この時、その理由ははっきりと分かりませんでした。
バリ舞踊の衣装を身に着けた女性と、聖獣バロン。
これの後ろに立って顔を嵌めれば、一瞬にしてバリの記念写真が撮れちゃいます!
と、いう趣旨で作られた事は明らかですが・・・
コレを作ったのはバリ人が信仰するヒンズー教を知らない人だったのでしょうね。
早速バリ人のイダさんにこの写真を見せて
「ここでは誰も写真を撮っていなかったの。どうしてかな?」と聞くと、
とても分かり易く即答してくれました。
「この豪華な飾りの付いたバロンと、横に立っている女性のバリ舞踊の衣装は、
大きなお祭の時だけに使われる特別なものなんです。
バロンには特別なオーラがあるから、例えこのバロンがベニヤ板に印刷された物だとしても、
自分の顔をこのバロンの顔の部分に嵌めるなんて恐れ多くて出来ませんよ。
バリ舞踊を知っている女性なら、この女性の着ている衣装に自分の顔を嵌めることはしないでしょうね。」
バリ島で顔嵌めタイプの記念写真が一般的でない事以上に、
『聖なる象徴のバロンに自分の顔を嵌めるなんて、恐れ多くて出来ない』という考え。
美人好きで日本語が上手なイダさん、にっこり笑いながら
「ミスユニバースみたいな衣装を着た3人の女性と一緒に写真を撮るのは問題無いですけどね」との事。
イベント会場で私が感じた違和感の理由。きっとあの会場でこれを見たヒンズー教の人達は、
皆イダさんと同じように考えていたのでしょう。
違和感ではなく、畏敬の念。たとえそれがベニヤ板のバロンであっても。
神様を信じると言う事は、形ではない、ということなのでしょうね。。。