皆さんこんにちは。バリニー王の嫁、キタです。
さて、インドネシアでガソリンの値段が上がった事は
日本でのニュースでも沢山取り上げられていたので、既にご存知の方も多い事でしょう。
今日は、「どうしてガソリン値段が上がってしまったのか」と
「ガソリンの値段が上がるとどうなるのか」について少しお話ししようと思います。
『どうしてインドネシアでガソリンの値段が上がってしまったのか?』
インドネシアの新大統領、ジョコ・ウィドド大統領の決定により
ガソリン1リットルあたり6,500ルピアから8,500ルピアへ
軽油1リットルあたりが5,500ルピアから7,500ルピアへ
それぞれ2000ルピア(約20円)、割合にして30%以上の値上げについて
2014年11月17日に正式に発表し、翌日の11月18日から実施しています。
(日本で何かを前の日に発表して翌日から実行したとしたら、とんでもないことになりますよね・・・)
インドネシアでは、ガソリン・軽油といった燃料に対して政府から補助金が支給されている為
他国に比べて国民が消費する燃料の価格が低く抑えられてきました。
しかし、この燃料補助金はインドネシアの国家予算配分の中で相当な割合を占め
長年に亘って国家の財政を圧迫し続けてきたことも事実です。
国家予算に占める燃料補助金の割合が大きすぎるために
インフラ整備に必要な建設部門などの"生産部門"に必要なだけの予算が配分されない
という問題も長年続いています。
今までの 国家が割り当ててきた大きな予算の中
"消耗部門"から"生産部門"へ補助金をシフトさせることで
インドネシア各地で必要なダムの建設や鉄道の建設等に取り組める、と主張されていますが
燃料補助金を完全に廃止する、と言うことになると、国民の猛反発にあうことは間違いないですし
経済的に豊かでない人々にとっては深刻な死活問題ですから
補償問題を含め国民が納得出来るきちんとした説明と対策が必要になります。
実際、ガソリンの値上げが実施され、ジャワ島のソロでは
「42.950人の貧しい人々には11月・12月の燃料補助金廃止の支援補償金として一人当たり40万ルピアを支給する」
という話が出たそうですが、実際に支援補償金をどこから捻出するのか
そして、現実に補償金は支給されるのか? についてはまだ確かな情報がありません。
燃料への補助金廃止に向いつつ、貧しい人々の為の措置にも配慮しなければならないインドネシアは
まだまだ色々な問題の解決に頭を悩ませている最中、と言ったところのようです。
『ガソリンの値段が上がるとどうなるのか?』
バリ島では、ヒンズー教のガルンガンとクニンガンの祭日の前になると
儀式の為の果物や、料理に欠かせない野菜や香辛料など
お祭に欠かせない品物の値段が必ず上がるのですが
これは「買わなければならないものは値段が上がっても買うから」という
商売人の発想よる値上がりなので、面白いものでそれぞれの祭日が過ぎた途端
また元の値段まで下がってくれます。
反対に、一度ガソリンが値上がりしてしまうと、「風が吹けば桶屋が儲かる」式に
これはもう、本当に全てに於いて値上がりします。
そして、一度上がった値段は二度と下がる事はありません。
沢山の島々から成り立つインドネシアは、その土地で手に入る生鮮食品を除いては
すべて他の土地や島、国から入ってくるもの、といっても過言ではないので
燃料の必要な物流システムや交通手段を使って運搬されるものは全て
必然的に値上がりせざるを得なくなる、と言う訳です。
インドネシア国民の生活に大きな打撃と波紋を与えている
今回の突然の'ガソリンの値上がりは、インドネシア国民のみならず
観光客としてインドネシアにお越しになる皆様への影響も避けられません。
観光で使う大型バスを所有する会社は、既に大幅な値上げを告知してきましたし
タクシー等もいつ運賃の値上がりを宣言してもおかしくない状況です。
バリ島をこよなく愛し、何度もお越しいただいているリピーターの皆様には
「バリ島の物価も昔に比べて随分上がったな」「バリは安いから良かったのに・・・」と
物価の安かった昔と比較して、残念に思ったり、不満に感じることもあるでしょう。
もしもバリ島で「モノが高くなったなぁ」と感じるときには
年々モノの価格がどんどん上がっていく中で
懸命に生活をしている現地の人々の事を思い出していただき
インドネシアも発展途上国として頑張っていることをご理解頂けましたら嬉しく思います。