バリヒンドゥーという独自の宗教と自然崇拝を基に、多種多様な舞踊、芸術を生み出してきました。
バリ舞踊は宗教儀礼の一部として奉げられる「ワリ」、儀式後の奉納芸として演じられる「ブバリ」、
そして娯楽用として親しまれる「バリバリアン」など大きく3種類に分けられ、
優美かつ豪快なガムランの音色と共に、私たちを神秘の世界へと誘います!
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元々儀礼用の群舞だったのが、成人前の少年によって演じられるソロ舞踊。戦場に赴く戦士の舞として、凛々しくもどことなく寂しさ漂う演技が秀逸。シャンシャンと鳴る貝殻の冠やターンを決める度になびく帯状の衣装は戦士の甲冑をイメージしたもので、豪華で見ものです。目を見開き、脚を大股に開き、精神を研ぎ澄ましたような演技に、吸い込まれる人も続出。
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日本の獅子舞のような風貌のバロンは森に住む聖獣。通常各村では村を守るご神体として寺院に祀られていることが殆ど。善と悪、生と死、聖と邪など、2つの世界が拮抗し合っているからこの世は成り立っているというバリ人の宗教的理念から、悪の象徴・魔女ランダと対立する姿が描かれますが、決着のない戦いが続くのが特徴的です。
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元々は儀式で踊られるのみのサンヒャンだったのが、1930年代にウォルター・シュピースによってエンターテインメントとして昇華した現代のケチャ。半裸の男性50〜100人が輪を描き、チャッチャッチャッと猿の声を真似た男性の合唱のみで演じられる迫力のパフォーマンス!バリ舞踊の中では珍しくガムランなどの楽器を用いないのが特徴。ラーマヤナ物語をベースにしたストーリーは舞踊初心者にも分かりやすくてお薦めです。
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仮面(トペン)を付けて演じられるバトゥアン村が発祥の踊り。男性ダンサーが憂いをまとった老人を演じる「トペン・トゥア」や、観光向けに脚色されたユニークな「トペン・パンチャ」など、マスクの数だけ種類も豊富。巧みな演者は無表情のマスクに表情が出せるほどで、熟練したダンサーの演技は必見。
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主にオダランなどの寺院祭や奉納舞踊として演じられる影絵芝居。水牛の革を使って作られた人形を、「ダラン」と呼ばれる1人の人形師が各キャラクターの声色を変えて演じるのが特徴で、正に神業とも呼べる伝統芸を垣間見ることが出来ます。お経を唱えるようなサンスクリット語での芝居はちょっと難しく思えても、社会風刺の効いたジョークやアドリブなどコミカルな演出もあり、クスッとする場面も。
バリ舞踊の代表格、そして王道ともいえ人気なのがレゴンダンス。バリの王国時代に宮廷舞踊として生まれたレゴンダンスは見た目も印象も一番華やか!レゴンと一言に言っても、レゴン・ラッサムやレゴン・ジョボッ、レゴン・クンティールなど種類も多数。チョンドン(宮仕)役の成人になる前の少女によって踊られる舞は妖しく、そして美しく、思わず目が離せないほど!