ボロブドゥール遺跡の入場規制についてのお知らせ
ジョグジャカルタの世界遺産「ボロブドゥール寺院遺跡」ではこの度入場規制(
ボロブドゥール遺跡保全事務局マノハラより)が導入されましたのでご案内致します。
2020年2月13日から期間未定で最上階10階と9階にて石造物の調査が行われるため、一般入場者の入場は禁止となりました。 ※8階までは通常通り入場可能です。
最上階の10階には、大ストゥーパがそびえていました。
奥に見えるのが10階にそびえる大ストゥーパで、手前に見えているストゥーパが建っているのが9階に当たる部分だと思われます。(ボロブドゥール遺跡には明確に「ここは何階」という表示が無い為)
今回の10階と9階の立ち入り禁止処置の背景には、歴史的建造物であり世界遺産として登録されているボロブドゥール寺院遺跡の構造的な問題も関係しているようです。
数年前からボロブドゥール遺跡が傾斜している事は関係者の間で問題視され始めていました。
世界中から訪れる観光客の数は、ピーク時には一日に約5万8千人にも上り、これを毎時に換算すると1時間あたり4千人から7千人がボロブドゥール遺跡に登っている事になります。
現代建築とは全く異なる構造のこの巨大な建物が建てられたのは約1000年以上も前です。
1000年以上もの昔、現代建築で用いられているような基礎工事などは無かったでしょう。
密林の中で火山灰に埋もれていたこの世界遺産は、今日も熱い南国の太陽の日差しを浴び、風雨にさらされ続けています。そして、毎日何千人という訪問者の体重を支え続けているのです。
また、今回の入場規制には、主にローカルであるインドネシア人達のマナーの悪さも関係していると言われています。
大ストゥーパを中心にして囲むように建っている数多くのストゥーパはとても魅力的ですが、「登るな」と書かれた掲示板があるにも関わらず、記念写真の為にストゥーパによじ登る人達が多かったそうです。
一般的なマナーを守らず、世界遺産を破損させてしまうような行為を止めさせることが出来ないなら、いっそ入場出来ないようにしてしまおう、と考えたとしてもおかしくはありません。
頂上には立ち入れなくなりましたが、立ち入り禁止の案内板の手前から写真を撮る事は可能ですのでご安心下さい。 また、9階、10階以外のボロブドゥールの回廊には、このような素晴らしいレリーフが延々と続いています。 バリ王のガイドさん達はこのレリーフに表現されているブッダの物語を分かり易く日本語でご説明致しますので、是非ガイドの話に耳を傾けて、ブッダの物語に思いを馳せてみてください。
今回の入場規制については、現時点でいつまで、という期限は決まっておらず、期限が決まらない理由は明確にされていません。
万が一、今回の調査で今後この世界遺産の構造的な調査の結果次第では数年後にはボロブドゥール遺跡には入場すら出来なくなってしまうかもしれません。
そんなことになったら、二度とこの美しいレリーフを間近で見る事は出来なくなってしまいます。
入場規制が頂上の10階と9階で収まっている今のうちに、是非ボロブドゥール寺院遺跡を訪れてみては如何でしょうか。