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【安全対策情報:4月】

令和2年4月9日(総20第52号)

在デンパサール日本国総領事館

1 社会・治安情勢
(1)新型コロナウイルス
新型コロナウイルス関連情報は2月5日以降,その都度領事メールを発出すると
ともに当館 HP に掲載していますのでご確認ください。

【インドネシア関連】
ア インドネシア保健省よると,当館管轄州(バリ州,西ヌサ・トゥンガラ州及び東ヌサ・トゥン
ガラ州)において感染が確認された者は4月8日現在 59 名(バリ州 49 名,西ヌサ・ト
ゥンガラ州 10 名,東ヌサ・トゥンガラ州0名)と公表しています。なお,当地における邦人
の陽性事案は現在まで発生しておりませんが,感染症の予防に努めてください。
イ 3月 31 日,インドネシア政府は当面の間,一部の例外を除いて全ての外国人の
インドネシア訪問及びインドネシアでのトランジットを禁止する旨発表しました。
ウ また,インドネシア政府は査証免除や一時到着査証(ビザ・オン・アライバル:
VOA)等で入国し現在インドネシア滞在中の全ての外国人(含む日本人)に対する
やむを得ない場合の滞在許可の自動延長(無料)や暫定一時滞在許可(KITAS)・
定住許可(KITAP)保持者がインドネシア出国後に KITAS 等の有効期限が切れてし
まった場合の取扱いについて公表しています。
エ アニス・ジャカルタ首都特別州知事は,4月 10 日から 14 日間(必要により延
長可)同州において大規模な社会制限を実施すると発表しました。発表された制
限内容の多くは従来から同州内で実施が呼びかけられていたものである一方,規
則遵守確保のための警察の統制が強化される可能性もあるとされています。
https://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase20_42.html
今後の新型コロナウイルスの感染状況によってはインドネシア政府をはじめ当
館管轄州政府の政策も変更される可能性があります。在留邦人の皆様におかれまし
ては,居住地域の状況及び情報に関する最新情報を入手するようお願いします。
オ なお,当館から当館管轄州警察本部に対して治安情勢について確認したところ
4月6日時点,新型コロナウイルス感染拡大に伴う治安の悪化は認められないと
のことでしたが,在宅中であっても施錠する,補助鍵等を活用する,建具の不具
合を直す等して,より一層犯罪被害の未然防止に努めていただくようお願いしま
す。

【その他】
カ 4月1日には日本政府から「新型コロナウイルス感染症に関する日本の水際対策
強化」が決定され実施されていますのでご確認ください。
https://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/files/100039065.pdf
キ 在留届を提出いただいている方で連絡先(携帯電話番号,メールアドレス等)
に変更のあった方は,速やかに変更の届出をお願いします。変更の届出が遅延して
いると,必要な情報を受け取れず,万一の際等の安否確認が出来ないことにもなり
かねません。
ク 「たびレジ」は,渡航先やメールアドレスを登録することで,登録先の大使館・
総領事館や外務本省から現地の海外安全対策情報や緊急時の連絡等を直接受け取
れるサービスです。乗継地等近隣諸国の情報を収集する手段の1つとしてもご利
用ください。

(2)自然災害
ア アグン山の状況
アグン山の噴火情報には接していませんが噴火警戒レベルは依然として3(警戒)
が継続されており火口から半径4km 圏内への立入は禁止されています。引き続き関
連最新情報を入手の上,注意警戒してください。
イ 地震関連
1月以降,クパン周辺海域,スンバ島南海域等,スンバワ等南海域において M5.0
から M6.0 の地震が,3月上旬には北ロンボクで M4.0 から M4.2 の地震が複数回発生
しました。当該地震に関係する邦人被害の報告は当館には寄せられていませんが,
引き続き津波を含む関連情報に注意してください。

(3)アフリカ豚コレラ
昨年 12 月以降,バリ島内で多数の豚がアフリカ豚コレラに感染して死亡したと報
じられています。アフリカ豚コレラは人への感染は認められずバリ州保健局は豚肉
の安全性を広く呼びかけているところです。

(4)テロ関連に伴う治安情勢
本年に入り社会的耳目を引く大きなテロ関連事案は発生していませんが,引き続
きテロの標的となりやすい場所(政府・警察関係施設,宗教関連施設,外国人が多
く集まる場所等)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,万一不審な人物や状
況を察知した場合には,速やかにその場を離れる等安全確保に努めてください。

(5)ラマダン(断食月),レバラン(断食明け大祭)等に伴う防犯対策
4月 23 日頃からイスラム教徒にとり神聖なラマダンが開始され終了後は引き続き
レバランに移行しますが,この時期は一般犯罪も増加する傾向にありますので安全
対策を怠らないようにしてください。
4月6日,当館管轄州の州警察本部に治安情勢を確認したところ各州とも治安情
勢に大きな変化は認められないとのことですが,在宅中も戸締まりを確実に行う,
補助鍵を追加設置する,建具の不調は改善する等して防犯対策に努めてください。
場合によっては大家等に各種対策を相談することも検討してください。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向等
(1)在留邦人の強盗傷害被害に関する公判
2019 年 11 月下旬,在留邦人が自宅アパートで強盗に押し入られ首を絞められる等
により重傷を負い金品を強奪された事案に関し,本年3月に被告人に対して禁固刑
8年の判決が言い渡されました。上記以外にも空き巣などの盗み目的で住居に侵入
する犯罪も発生しています。門,ドア,窓には可能な限り複数の鍵を設置する,在
宅中も家屋の戸締まりを確実に行うとともに外出時・帰宅時には周囲の様子に十分
注意する等して安全確保に努めてください。
なお,相手は武器を持っている可能性が高いので,強盗に遭遇した際は抵抗せず
に身の安全を第一として対処してください。不審な状況を察知した場合は,一旦そ
の場から離れ状況を注視しつつ,警察に通報して危難を排除する等して安全確保に
努めてください。

(2)邦人旅行者等の窃盗被害
当館に対して下記の犯罪被害に関する報告が寄せられています。累次お知らせの
とおり,多数の者が訪れる場所では人混みに紛れて犯人が犯行の機会を窺っている
可能性もあります。貴重品の管理等にご注意ください。
ア 1月上旬,ウブド地区スーパー内で買い物中にバッグ内から財布等を盗まれる
被害が発生しました。
イ 2月上旬,邦人旅行者がサーフィン(於:Geger Beach Nusa Dua)後,閉店中
の店先に置いていた荷物を取りに戻ったところ旅券等在中のバッグが盗まれる事
案が発生しました。
ウ 午前3時頃,スミミャック所在のクラブ内で邦人旅行者が旅券,携帯電話等在
中のバッグを盗まれる事案が発生しました。
エ 2月から3月にかけてレギャン通りにおけるスリが複数件発生しました。
オ 3月上旬,クタ地区のモール内に設置された銀行 ATM を利用した後,約 10 日間
にわたり口座から利用事実がないにもかかわらず現金が引き下ろされた,という
スキミング被害と思料される報告が当館に寄せられました。被害に遭われた在留
邦人によると,スキミング被害につながる不審な状況は思い当たらないとのこと
であり巧妙な細工が施されていた可能性も考えられます。

(3)旅券紛失事案
旅行者が滞在中に旅券を盗難・紛失する事案が多数報告されています。旅券を紛失
等した場合は,帰国(出国)のために旅券に代わる「帰国のための渡航書」発給手
続き等が必要になるため,観光の中断を余儀なくされ,自費支弁により帰国日程を
変更せざるを得ない事例も発生しています。空港内,空港からの出発時,宿舎到着・
出発時,支払・両替時等には旅券の確認を行う等して管理してください。

3 統計関係(デング熱・狂犬病)
長引く高熱等デング熱が疑われる症状が発生した場合や野犬をはじめ動物と接触が
あった場合は,自己判断で対処することなく早期に医療機関を受診し適切な治療を受
けるようにしてください。
(1)デング熱
ア バリ州(非常事態宣言(KLB)発令:無)
〇 バリ州保健局によると,2019 年中に同州内で発生したデング熱罹患者件数は
約 6,000 件であり 10 名が死亡したとのことでした。8月から 10 月にかけて件
数は減少していますが年間を通して発症が確認されている状況です。
〇 Buleleng 県,Badung 県及び Denpasar 市での発生が約7割を占めており
Tabanan 県,Badung 県,Gianyar 県,Klungkung 県及び Denpasar 市で死亡事案
が確認されています。
イ 西ヌサ・トゥンガラ州(非常事態宣言(KLB)発令:無)
○ 西ヌサ・トゥンガラ州保健局によると,2019 年中に同州内で発生したデング
熱罹患件数は約 3,000 件であり 16 名が死亡したとのことでした。
○ Mataram市での発生が約3割を占めておりLombok tengah県,Sumbawa県,Dompu
県,Bima 県及び Bima 市で死亡事案が確認されています。
ウ 東ヌサ・トゥンガラ州(非常事態宣言(KLB)発令:有)
〇 東ヌサ・トゥンガラ州保健局によると,2019 年中に同州内で発生したデング
熱罹患者件数は約 4,100 件であり 55 名が死亡したとのことでした。
〇 Kupang 市,Sikka 県,Manggarai Barat 県及び Sumba Timur 県での発生が約7
割を占めており Kupang 市,Sikka 県,Manggarai Barat 県をはじめ同州内全域で
広く死亡事案が確認されています。
〇 東ヌサ・トゥンガラ州保健局によると,本年1月から2月の間に 2,121 件の事
例が発生し 20 名が死亡したとのことです。
〇 Lembata 県,Sikka 県及び Alor 県に非常事態宣言(KLB)が発令されています。
(2)狂犬病
ア バリ州(非常事態宣言(KLB)発令:無)
〇 バリ州保健局によると,2019 年中に同州内で発生した咬傷事案(犬に咬まれ
る事案)は約 35,000 件であり4名が死亡したとのことでした。
○ 特に Buleleng 県での発生が多数確認されており同県,Gianyar 県及び Bangli
県で死亡事案が確認されています。
イ 西ヌサ・トゥンガラ州(非常事態宣言(KLB)発令:有)
○ 西ヌサ・トゥンガラ州保健局によると,2019 年中に同州内で発生した咬傷事
案は約 2,600 件であり 13 名が死亡したとのことでした。
○ 特にDompu県での発生が約半数を占めており死亡事案は全てDompu県で発生し
ているとのことです。
〇 Dompu 県,Bima 市,Bima 県,Sumbawa 県,Sumbawa Barat 県に非常事態宣言(KLB)
が発令されています。
ウ 東ヌサ・トゥンガラ州(非常事態宣言(KLB)発令:無)
○ 東ヌサ・トゥンガラ州保健局によると,2019 年中に同州内で発生した咬傷事
案は約 14,000 件であり 15 名が死亡したとのことでした。
○ 特に Flores Timur,Sikka,Ngada 県で多数発生している傾向にあり,Flores
Timur 県,Sikka 県,Ende 県,Ngada 県,Manggarai Timur 県で死亡事案が確認
されています。

4 テロ・爆弾事件発生状況
当館管轄内においてテロ・爆弾事件は発生していません。

5 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の誘拐・脅迫事件は発生していません。

6 対日感情
対日感情は基本的に良好であり,特段の変化は見られません。

7 日本企業の安全に関わる諸問題
日系企業の安全に関わる問題は認知していません。

8 その他
(1)「安全の手引き」の改訂
当館ホームページに掲載の「安全の手引き」を令和2年2月付けで改訂しました。
本手引きは,当地における犯罪対策や緊急事態への備えやその対処方法,当地にお
ける主な感染症情報などを掲載していますので,是非ご一読ください。pdf 形式での
掲載ですのでダウンロードや印刷も容易に可能ですのでご利用ください。
https://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/files/000570257.pdf

(2)生活環境の再確認
累次お知らせのとおり,在留邦人が死去する事案や体調不良により病院に搬送等
される事案,経済的問題に起因する困窮事案等の相談が寄せられています。また,
インドネシアを含む世界各地における新型コロナウイルス感染拡大やインドネシア
国内におけるデング熱の発症事例も報告されており,各種状況に対応し得る環境を
整える必要があると思料されます。日本国内のご家族との定期的な連絡,頼れる人
や在留邦人間での連絡体制,保険制度の情報入手等について予め整理・対策を講じ
ておくことも有効と思われます。健康状態や経済事情に加えご自身を取り巻く生活
環境によっては早めに生活の基盤を日本に移すことを検討することをお勧めします。
以 上
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