バリ島のヒンズー教総本山ブサキ寺院では、2018年の今年は3月31日から4月21日までの21日間『Betara Turun Kabeh ブタラ・トゥルン・カベー』と呼ばれる大きなお祭りが行われていました。
このお祭りは、1年に1回、21日間の間、ブサキ寺院に神様が降りてきてくださる、という、バリヒンズー教徒にとってとても大切なお祭りです。
お祭りが行われている期間は21日間ですので、皆、自分の予定を調整してブサキ寺院にお参りに行きます。
また、このお祭りを行う為、ブサキ寺院の周辺では3月19日から登山道が閉鎖されていました。
ヒンズー教徒がお寺にお参りに行く時の正装は、白と黄色と決まっています。
何年か前から、女性の正装であるクバヤのデザインが多様化し、それまで長袖しかなかったクバヤに半袖のものが沢山出回りました。
しかし、今では「半袖のクバヤはお寺へお参りに行くにはふさわしくない」という見解に落ち着き、元通り「お寺に行く時は長袖」が常識になっています。
日本でもミニの浴衣が出回った事がありますが、どの国でもお洒落に関しては色々とあるようですね。
中には黄色ではないサロンを着用して参拝している女性も見掛けますが、あまりうるさく言われないのもバリヒンズー教の良いところなのかもしれませんね。
お寺の境内の地面に直接座って、お坊さんの唱えるマントラと共にお祈りを捧げます。
南国の炎天下、老若男女を問わず、皆真剣にお祈りをしている様子には感銘を受けます。
バリヒンズー教徒がお寺にお参りに行く際に欠かせないのが『お供え物』。
『チャナン』と呼ばれる一番簡単なお供え物でも、4色のお花と真ん中にはパンダンハルムの葉を細かく切ったもので構成されています。
今回のような重要なお祭りの際に用意するお供え物はチャナンとは別に『バンタン』と呼ばれます。
バンタンとして用意されるものは、チャナン、果物、お菓子、卵、ご飯、ビーナッツなどですが、例えば、果物の中には必ずバナナが入っていること、お菓子の中には必ずジャジャンギナ、ジャジャンウリと呼ばれるバリのお菓子が入っていること等、用意するものには細かい決まりごとがあるそうです。
それを全て親から子へと受け継ぐのですから、すごいですよね。
ブサキ寺院で行われる大きなお祭り『Betara Turun Kabeh ブタラ・トゥルン・カベー』は、1年に1度21日間しかありませんので、この時期にブサキ寺院を訪ねた観光客には特別な経験となるでしょう。
また、ヒンズー教徒は満月にお祈りを捧げる習慣があるので、 満月の日を選んでお寺に行けば、正装した沢山のバリヒンズー教徒の人々に会えますが、お祈りをする為にお寺を訪れるのと、皆さんが観光目的で訪れる場合は目的が違いますので、くれぐれもマナーを守って頂きますようお願い致します。
真剣にお祈りを捧げている姿に向かって至近距離から撮影するのはマナー違反ですのでご遠慮下さいね。
予想外の場面に出会うことは、旅行ならではの醍醐味です。
皆さんがバリ島のご旅行で沢山の素敵な場面に出会えますように・・・